主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。 「子供の人権侵害」騒動ばかりが取り沙汰されているけれど、ドラマとしての質はどうなのか。大人が考える「子供目線と純粋さ」、子供が本来持っている「幼さと残酷さ」との兼ね合いがうまくいっていないことが問題じゃないのか。騒動のせいで素直に視聴できなくなってしまったのが今クール(1~3月期)の連続テレビドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系/毎週水曜夜10時放送)である。 当事者が放映中止を求めるのはわからないでもない。ファンタジーまみれで事実とは異なる児童養護施設の描き方にご立腹というのも納得いく。子供のあだ名が問題になるのは、微妙なラインだ。制作サイドとしては「子供目線の無邪気さは凶器にも武器にもなる」と