新元号は「令和」(れいわ)に決まった。出典は「万葉集」で「非常に美しい、きれいな元号という最初の印象を持った」という山中伸弥・京大教授(有識者懇談会メンバー)のコメントと同じ感想を持った読者の方も少なくないだろう。一方、初めて「令」の文字を採用するなど、元号史を専門とする研究者を驚かせる新基軸も少なくない。久禮旦雄・京都産業大准教授と京都府教育庁の吉野健一・文化財保護課副主査に聞いた。 ■「令」は元号未採用候補に1つだけ 「正直かなり驚かされた」と、吉野健一氏は新元号が発表された瞬間を振り返る。まず「令」の文字が、これまで日本の元号に使用された「72字」の中になかった。昭和の「昭」、平成の「成」に続いて、元号の文字にニューフェースが加わった。さらに、中国の漢から清までの元号354に使われた148字の中にも入っていないという。「『令』には良い、素晴らしいという意味がある」と吉野氏。 専門の研