要約 欧州でネオニコチノイド系殺虫剤が規制されましたが、その後のリスク低減効果について、オランダが公表した政策評価書の内容を紹介します。規制の当初から指摘されていたこと(ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止しても他の農薬に切り替えるだけでリスクは減らない)が現実になったことが明らかとなっています。 本文:ネオニコチノイド系殺虫剤禁止によるリスクトレードオフ こんなやり取りがあったかどうかはわかりませんが、ネオニコチノイド系殺虫剤は欧州で先行的な規制が始まりました。ネオニコチノイド系農薬は7種類ありますが、そのうちクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3剤が規制対象になっています(ネオニコチノイド系農薬ではないですがフィプロニルという別系統の殺虫剤も対象になりました)。まず2013年から一部の用途・作物での暫定規制が始まり、2018年からは屋外使用全般について恒久的な規制になりました。