岡山大学は20日、大学に隣接する宅地(岡山市北区津島福居)に、5世紀後半に築かれたとみられる前方後円墳があったと発表した。「塚前(つかのまえ)古墳」と命名。一帯は戦後に宅地化され、墳丘は完全に失われたが、全長最大約55メートルと推定される。墳墓発見のきっかけは、大学に持ち込まれた1枚の古い写真だった。 同大の野崎貴博助教(考古学)が記者会見した。塚前古墳の西約10キロには、全国4番目の規模の前方後円墳「造山(つくりやま)古墳」(北区新庄下)がある。今回の古墳発見の意義について「造山古墳を築いた強大な吉備の集団が分裂し、旭川下流の平野部にも広がっていく過程がより鮮明になった」としている。 発見のきっかけとなった写真は、明治期に現在の大学敷地にあった旧陸軍の駐屯地一帯を1908年に写した写真だった。昨年3月、岡山市の男性から持ち込まれた。野崎助教は、写真に納まる農地に、前方後円形の高まりがある
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