「若者の読書離れ」が叫ばれるようになって久しい。しかし、出版社や図書館、学校関係者に「読書離れを感じるか」と聞いてみると、正反対の答えが返ってくる。「10代は本を読んでいる」というのだ。 それを裏付けるデータもある。全国学校図書館協議会が11月に発表した調査によると、小学生4~6年生の1カ月の平均読書冊数は11.3冊(17年5月時点)で、30年前の1987年の7.4冊から約1.5倍になっている。「過去1カ月で本を1冊以上読んだ」と答えた小学生は約95%に上る。 中学生も同様の傾向で、87年の2.3冊に対して17年は4.5冊に増えている。読書離れどころか、むしろ子どもは読書をするようになっているのだ。 読書冊数の上昇傾向は2000年前後から始まった。背景にあるとされるのは「朝の読書活動」(朝読)だ。朝の時間帯に5~15分程度の読書時間を設け、生徒に読書の習慣を持たせるという活動で、文部科学省