仏典には「臨終(死)について学んでから、他の事を学ぶべきだ」とあるという。 著者は、大学院卒業後生命保険会社に勤務し、定年を迎えた後この本を出版した。 人生の折り返し点を過ぎたら、「死」から逆算して人生を考え生き抜いていくのだというのが本書のテーマだ。 脇目も振らず働いて一人前の社会人として実力を身につけていくべき青年期。 その経験を基にして社会で活躍をしていく壮年期。 著者の大きな転機は2回。 40歳で阪神淡路大震災に遭遇したこと。 47歳で体調を崩し長期休職したことだという。 この経験が、自分自身への接し方、社会に対する見方を大きく変えたという。 急速な医療の発達で、日本人の平均寿命は圧倒的に伸びた。 ただ、その増えた年月の過ごし方を指し示す指標は存在しない。 定年まで会社に縛られ、奉仕し、家族のためと、耐え抜き、働き抜いた男たち。 だが、定年と同時にその肩書きは通用しなくなる。 趣味