亡くなった配偶者の親やきょうだいとの関係を解消する「姻族関係終了届」を出して〝死後離婚〟する人が急増している。こじれた嫁しゅうとめ関係の継続や、義理の親の介護を担うことへの不安などを背景に、専門家に相談する女性も増加傾向にある。 「あなたがしっかりしていれば、こんなに早く死なずに済んだのに!」 5年前に夫をがんで亡くした50代の女性=東京都北区=は、義母の言葉が忘れられない。夫が病気になってから、健康管理などについて責められてきた。 夫の死でショックを受けているところに、義母の心ない言葉が突き刺さった。相続の相談のため、たまたま訪れた弁護士事務所で姻族関係終了届のことを知った。法的には家庭裁判所が「特別な事情」と認めた場合を除き、義理の親を扶養する義務はない。だが、「紙切れ1枚で『絶縁宣言』できると思うと前向きになれる」と女性は言う。 手続きは市区町村の窓口に届けるだけで、相手の了解は不要