中国軍は4日正午(日本時間同午後1時)、台湾周辺で実弾射撃を伴う大規模な軍事演習を開始した。台湾国防部(国防省に相当)によると、中国軍は同日午後1時56分(日本時間同2時56分)以降、台湾北方、東方、南方の各海域に向けて弾道ミサイル「東風」11発を数回に分けて発射した。 笹川平和財団の小原凡司上席研究員に聞いた。 ◇ 中国軍の軍事演習は、台湾への「懲罰」という意味合いが強い。ペロシ米下院議長の台湾訪問を許したということで国内に習近平指導部に対する批判もある。中国としては今年秋に党大会を控え、国内で弱腰の姿勢を見せられないのだろう。 1995~96年の台湾海峡危機では、中国は空母を持っておらず、台湾の東側に展開した部隊から攻撃できる状況ではなかった。今回の軍事演習は台湾を取り囲む形で設定していて、現実の武力侵攻の想定と近いものを見せ、能力を誇示する狙いがあるのではないか。 一方で、米中ともに