今回の連載で何度か繰り返しているが、情報システム部門の使命は、ビジネスに役立つ情報システムを構築し、運用することである。しかし、“ビジネスに役立つ”ことにこだわりすぎると、自社の実力以上のシステムを構築しようとして、失敗してしまうことがある。自社の能力、リソース、資金力などに適した情報システムを企画することが必要である。 この「ビジネスに役立つ」と「身の丈にあったシステムを作る」ということのバランスを保つことが難しい。ほとんどの会社で、一度はシステム開発プロジェクトの失敗を経験しているのではないだろうか。その大きな原因として、バランスの取れた企画がなされていないことがある。 例えば、既にメインフレームやオフコンといった古いIT基盤でシステムを構築している会社で、再構築をする場合、以下のような理由で、特に難易度が増す。 (1)既にシステムが存在しているため、事業部門から見れば、再構築すること
