サライ世代の範とすべき人生の先達の生き様を毎号お伝えしている『サライ』本誌連載「サライ・インタビュー」。2018年新春企画として、昨年本誌に掲載されたインタビューの数々を紹介する。 富岡畦草さん (とみおか・けいそう、記録写真家) ※この記事は『サライ』本誌2017年6月号より転載しました。肩書き等の情報は取材時のものです。(取材・文/佐藤俊一 撮影/赤城耕一) ──記録写真を撮り続けて70年です。 「戦後の焼け跡時代から撮り始め、僕も90歳になりました。これまでに撮った写真は40万枚を超えるんじゃないかと思います。写真機を手にすると、芸術写真を撮ろうと張り切る人が多いのですが、僕は違っていました。写真は一瞬を記録するもの、記録こそが写真の使命と思っていました。 一枚の写真で時間の経過や時代の移り変わりを記録するには、どういう手法で撮るのがいちばん効果的か。そう思う中でひらめいたのが同じ場