きょう東京駅で、こんなポスターを見た。きのうから始まった「NHKオンデマンド」の広告だ。ところがきのう、NHKに関する最大のニュースは、その目玉である「プロジェクトX」の元プロデューサーが、万引きで検挙されるというニュースだった。私は彼を直接には知らないが、元部下によると彼自身もプロジェクトX的な会社人間だったらしい。 このヘルメットのおじさんのような労働者には、「できるかできないか一切考えない。ただやる。無我だ。真っ白だ。突撃だ」という、くさいナレーションが「効く」のだろう。歴代の視聴率ベストテンには、「瀬戸大橋」や「青函トンネル」が入っている。男たちの「不屈のドラマ」の結果は、本州四国連絡橋公団の4兆円を超える債務と、旅客の通らない長大なトンネルだ。 要するに「プロジェクトX」に描かれているのは、日本経済をだめにした局所最適化の錯覚なのだ。「世紀の難工事に挑む」前に、本州と四国の間