先週、ITジャーナリストの先輩と大阪に出張した。わたしたちはビル・ゲイツと同世代。帰りの新幹線で、えびせんと柿の葉寿司をつまみに缶ビールを傾けながら、梅田望夫著『ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる』(ちくま新書)の話でひとしきり盛り上がった。 車中の話題は、ブログからソーシャルタグ、オープンなインターネットとセミクローズドな日本のSNS、さらには2001年9月11日の同時多発テロ以降の価値観の変化にいたるまであちこちへ飛んでいったが、これはビールのせいだけでなく、さまざまな論点を含んだ刺激的な本であることが一番の理由だろう。読み手の関心によって、いろいろなテーマで語ることができる。 そのなかで、Web2.0についての理解を深められたというが共通の感想だった(と思う)。 むろん、「Web2.0」ということばはこれまで何度も耳にしてきた。しかし、インターネットの「こちら側」(利用者側の