東日本大震災が発生して以来、「想定外」という言葉は、まるで2011年を象徴するキーワードのようになってしまった。筆者自身、この「想定外」をタイトルに使った記事を既に1度書いた。 けれどもこの言葉は、何か悪い事態を引き起こして誰かに迷惑をかけた当事者が釈明に使う言葉としてはちょっと微妙だ。「想定外」という表現が釈明としてスムーズに周囲を納得させられるのは「事前に被害状況の断片すら想像できなかった」ことを話し手と聞き手で共有できているケースだけなのではないだろうか。 例えば、需要を読み違えて大量の在庫を抱えた新商品の仕入れ担当者がいたとしよう。その担当者が上司に向かって「この売れ行きは想定外でした」と釈明したら、上司は「そうか、しょうがないな」と原因追究をやめるだろうか。何らかの判断ミスではないかと勘繰られて、さらに突っ込みが入る可能性が高いような気がする。 ひょっとするとその担当者は上司から