インドが原子力発電を強化する方向に動き始めた。ロシアや米国、フランスなどに続き、日本とも具体的な協力に向けた検討が始まっており、4月30日には、首都ニューデリーで日印エネルギー対話が持たれた。日本から直嶋正行経済産業大臣が出席したこの対話では、二国間における原子力開発の技術協力に向け、ワーキンググループを立ち上げることなどで合意した。 こうした動きの背景には、インドが原子力発電分野における、日本の豊富な経験と優れた技術の活用を期待しており、日本としても、インドを新たな市場としたい考えがある。しかし、インドは、イスラエルやパキスタンと同様に、核軍縮を目的とした核拡散防止条約(NPT)に加盟をしていないため、日本がどのようにしてNPT非加盟国に対して、核不拡散を実現しながら原子力の平和利用を進めるかが最大の課題となっている。 インドは、中国と並んで急速な経済成長を続けており、昨今の世界的な不況