1990年代初頭から、多くの企業スポーツチーム(※1)の撤退が報じられている。 企業スポーツは、終身雇用や年功序列といった日本型経営から生まれた特徴的な仕組みであり、企業は選手を社員として雇用し、所有するスポーツチームで活躍してもらうことで、帰属意識の醸成や、広告宣伝媒体として活用してきた。 高度経済成長期には全国の企業に波及したが、景気が後退し経営のスリム化が叫ばれるようになると、多くのスポーツチームが廃部や休部に追い込まれたのである。業績不振が最大の原因であり直接的な契機となったわけではあるが、環境が大きく変化するなかで、従来企業スポーツに求められていた活用方法には限界があるともいわれる。 企業スポーツの役割は終わったのか、あるいは新たな経営的価値となるのか。企業スポーツの意義とその効果を考えたい。 ※1企業スポーツとは:企業が組織的に行うスポーツ活動のこと(実業団競技) 第2