気候変動は、高緯度地域での作物収量の増加につながる可能性があるが、この増収分が、病原体による作物感染のリスク増加によって相殺される可能性があると考えられることを報告する論文が、Nature Climate Change に掲載される。 世界の人口が増加し、耕作可能地が減少し、気候変動の脅威が増大する中、食料安全保障が絶えず懸念事項となっている。気候変動によって世界の作物生産量が減少するという事態は、例えば干ばつの結果として直接的に生じるものと植物病原体の影響を介して間接的に生じるものがある。植物病原体は、作物生産にとっての大きな脅威だが、気候変動が植物病原体の分布と存在量にどのように影響するのかについてはほとんど解明されていない。 今回、Daniel Bebberたちは、21世紀末までの将来的な気候シナリオの下で、主要な商用作物(トウモロコシ、コムギ、ダイズ、イネの4種)と温帯作物と熱帯作
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