人生において、食はあまりにも大事だ。 食べることは、数少ない「確実に生きる喜びを得られるもの」だから。ツラくても、恋人がいなくとも。ウマいメシがそこにあれば、かすかな希望になってくれる。 そんな食事において、究極の存在が病院食。病に苦しみ、満足に出歩けない。逆境に置かれた心と体を癒やしてくれる、とっておきの存在なはず。 健康に配慮するあまり、「味が薄い」「量が少ない」と長らく言われてきたが、最近では「病院食は意外とおいしい」との話を身近で聞く。 そんな病院食が気になってインターネットで検索するものの、「病院食」についての記事はなかなか見つからない。気になるし、病院食についてまるで知らないのは、これから人生の後半を迎える身としてはダメなんじゃないか。 そこで。東京都清瀬市にある、国立病院機構 東京病院 栄養管理室の主任栄養士・島村晃子さんに、ベールに包まれた病院食の正体を教えていただいた。