自宅にこもった精神疾患の重症患者を在宅でケアする地域生活支援プログラム「SAGA-ACT(さがアクト)」が設立半年で少しずつ効果を上げている。アクトは外出できない患者を訪問医療で支える仕組み。対話を重ねるうちに心を開く患者もいる。ACT全国ネットワークによると、九州では5カ所目。さがアクトは精神疾患の経験がある「ピアスタッフ」も「仲間」として支援に加わっているのも特徴だ。 さがアクトの設立者は、同市川副町鹿江の精神科医院「より添いとたい話の診療所」の谷口研一朗院長(45)。「統合失調症やうつで地域から孤立している患者の治療や自立機会をつくろう」と4月、市内の訪問看護ステーション「えのか」の協力を得て始めた。 利用者登録すると、医師が毎月数回、訪問診療する。看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの「支援員」11人が週2回、買い物や家事、会話の相手を務める。症状の急変にも24時間態勢で対応する