前回より、石田直裕四段の例から「子供を藤井聡太にしたい場合の労苦」について言及しているが、今回はまずプロ棋士の登竜門である「奨励会」の実情から見ていこう。 奨励会は六級からだ。日本将棋連盟は、HPで昇級昇段規定を次のように説明している。 「三段から四段への昇段は年2回の三段リーグに参加し、1・2位の成績を取ること。 初段~三段までの昇段点は、8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗。 6級~1級までの昇級点は、6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗。」 奨励会に集まるのは小学生時代に県大会代表になったような面々ばかりである。 そんな中で6連勝だの、9勝3敗だのが滅多にできるはずがない。これを延々と続け、まずは三段まであがって「三段リーグ」に加わり、26歳までに三段リーグで1位か2位になるしか、プロ入りの道はない。26歳でプロになれなければ、クビである