戦後復興期 魚群探知機概要 古野電気が生み出した魚群探知機は、戦前から受け継がれた超音波技術の発展と、中小企業であった同社のベンチャー精神あふれる行動が生み出したイノベーションである。魚群探知機の登場は、漁業者の経験と勘に依存していたそれまでの漁業を科学的見地に基づく方法へと変革させ、水産業の歴史に大きな足跡を残した。 魚群探知機には軍事用ソナー(船舶用超音波測距・測深機)の原理が応用されている。アンテナに相当する振動子にパルス電流を流すことで、超音波を海中に発射する。超音波は海底あるいは海中の物体に当たって跳ね返り、反射してきた超音波を再び振動子で受信して電流に変化させる。この電流の強弱を記録紙(現在では液晶ディスプレイ)に出力する。これにより、海の深さや海中の魚影などを特定することができる。 魚群探索に超音波を使用する研究は戦前にも試みられたという報告はあるが、その本格的な応用は戦後に
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