プーチン露政権がウクライナへの軍事的圧力を強めている。当面の焦点は同国南部クリミア半島だ。問題の経緯やクリミアの歴史をQ&A形式でまとめた。(ウクライナ南部シンフェロポリ 遠藤良介) Q クリミアとは A 黒海に突きだす半島で、面積は四国の1・4倍にあたる2万5500平方キロ。冬季五輪が行われた黒海沿岸のソチと同様に温暖で、半島南端のセバストポリではロシア海軍が黒海艦隊の基地を租借している。ソ連時代から保養地として知られる半島南部のヤルタは、第二次大戦末期に米英ソが密約を結んだヤルタ会談で有名だ。半島のほぼ全域がウクライナのクリミア自治共和国に含まれる。 Q 今回の問題の経緯は A ウクライナでは2月下旬、首都キエフや西部での大規模な反政権デモを受け、親露派の政権が崩壊した。しかし、人口約200万人のうちロシア系が6割を占めるクリミアはロシアへの親近感が強く、政変で発足した親欧米派