初期資産における機会の平等 2008年4月21日 社会 コメント: トラックバック (0) 前回は消費・貯蓄に関する代表的な仮説……王朝仮説とライフサイクル仮説を通じて機会の平等に関して考えてみました. 王朝仮説が正しいならば,現在の私たちは独立した個人ではなく「××一族」の歴史の中で今現在の行動決定権をゆだねられただけの代理人のような存在です.この時,意思決定の主体とは「××一族」なのですから,遺産の多寡も含めて「××一族」の自己責任問題ということになるでしょう. その一方で,ライフサイクル仮説に従うと親からの遺産は「親の予想外の早逝」のおこぼれに過ぎません.ここでの経済主体は個人に他なりません.遺産や遺産を受ける可能性がある限り,初期資産が勝負を左右するルールのゲームに機会の平等はないということになります. このように考えると,ライフサイクル的な家計が多いならば「相続は全面禁止!」とい