今回の「社会を映し出すコトバたち」のテーマは「ケータイ」です。携帯電話端末を表す「ケータイ」という言葉です。 素朴な疑問として、この言葉はどうしてカタカナ表記なのでしょうか。携帯電話の歴史や、携帯電話を取り上げた新聞記事などをふり返りつつ、カタカナ表記の謎を解き明かしていきましょう。 小型化と規制緩和が生んだ新市場 まず携帯電話の歴史について復習します。 日本電信電話公社(電電公社、現NTTグループ)が、携帯電話の前身である「自動車電話」のサービスが始めたのは、1979年のことでした。電電公社は1985年7月に民営化。その直後である同年9月、NTTは屋外に持ち出すことができる自動車電話「ショルダーホン」のサービスを開始しました。最初に登場した端末は重量が約3キログラムという大きな装置でした。 携帯電話が本格的に「小型化」したのは1980年代末期のことです。まず1987年、NTTが携帯電話の