田中英寿前理事長の逮捕を受け、記者会見を開いて謝罪する日本大学の幹部ら。一連の不祥事は私学のガバナンス改革の議論にも影響を及ぼした=東京都千代田区で2021年12月10日午後6時4分、宮間俊樹撮影 日本大学の前理事長による脱税事件などで私立学校のガバナンス(経営統治)が注目を集めている。政府内では、事件前から見直しの必要性が指摘されており、文部科学省が2021年中に改革案を公表するはずだった。ところが、私学側の反発で調整がつかず、年明け以降も議論を続けることになった。どうしてここまでこじれてしまったのか。【大久保昂/東京社会部】 「改めて関係者の合意形成を図る場を設け、最終的な改革案を検討する」 年の瀬が押し迫った昨年12月21日。末松信介文科相は閣議後の記者会見で、私学のガバナンス改革について、私学関係者も交えた新たな会議を設け、議論を継続する考えを表明した。 昨年6月に閣議決定した「経