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2013年2月12日のブックマーク (2件)

  • [書評]昭和という時代を生きて(氏家齊一郎・語り、塩野米松・編): 極東ブログ

    「痛快無比」という懐かしい言葉が、読みながら心に浮かぶ。昭和という歴史が眼前に躍動してくる。何度も思わず感嘆の声が漏れる。面白い。「昭和という時代を生きて」(参照)は、事実上、氏家齊一郎の自伝である。塩野米松がインタビューアーとなって書籍にまとめたものだ。 氏家は偉人ではない。読売新聞グループ総帥・渡邉恒雄の親友という点からすれば、ヒール(悪玉)と見る人がいても不思議ではないくらいだ。いち新聞記者から、事実上の政商にのし上がったその経歴は、自民党政治とも一体化している。とてもではないが理想とはほど遠い。河野一郎や中曽根康弘との交流は胡散臭いし、児玉誉士夫や田中角栄との関わりは昭和の暗部を覗き込むようなスリルがある。 ヒールの側面を感じさせながら、氏家は若き日に渡邉に誘われて共産党に入ったように、共産主義への理想も理解していた。カストロの友人であり、ホーチミンの友人でもあった。私は知らずにい

  • [書評]カウントダウン・メルトダウン(船橋洋一): 極東ブログ

    上下巻に分かれた大部「カウントダウン・メルトダウン」(上参照・下参照)は、元朝日新聞社主筆の船橋洋一による福島第一原発事故のドキュメンタリーなので、てっきり朝日新聞社の刊行と思ったら、文藝春秋によるものだった。その点は意外感があった。 なぜ船橋洋一が福島第一原発事故を扱うのかという点には違和感はない。彼は2010年に朝日新聞社を退職した後、一般財団法人日再建イニシアティブを設立して理事長となっていて、その下に彼自身が設立した福島原発事故独立検証委員会、通称「民間事故調」でそのプログラムディレクターとなっていたからだ。その意味で、これは「民間事故調」をプレーンな船橋洋一の文体で書き直したものだろうという予想は付いた。 実際、読んでみると、悪い意味ではなく、予想通りの作品である。さすが船橋さん、読みやすく、わかりやすく、そして、かなり公平に書かれている。なんで朝日新聞じゃないのだろうとここで