一言で言えばレビュータイトルのように評するしかない。 著者は医療少年院に勤務経験がある児童精神科医。 職務を通して、非行少年の多くが知的障害にかろうじて含まれない「境界知能」の少年であり、「反省」→「更生」のステップを踏む以前に「反省」の意味すら認知できないことに気づいた。 彼らは知能や認知能力が低いがゆえに、他者と上手くやっていけず学校や社会から落ちこぼれるが故に非行に走ると考察したのだ。 その視点から、そのような子供の存在を早い段階で汲み上げ、普通教育以外の特別プログラムを練習させることで学校や社会生活で困らない程度のソーシャルスキルを身に付けさせるというメソッドの普及に尽力している。 成る程、非行の実情は確かにそうなのだろう。 だが、この本は内容のバランスが悪すぎて著者の意図と異なる読み方をされるだろう。 タイトルに代表されるように「いかに非行少年たちの知的能力が低いか」の例を第1章