夏コミの頃から読み始めていた野村美月先生の“文学少女”シリーズを読み終わったのでなんとなく備忘録的に感想など。 文学作品をネタ本にするという英断 “文学少女”シリーズというのは、本を―――物語が描かれた原稿用紙を―――紙ごと食べる遠子先輩と、文芸部の後輩で語り部たる井上心葉の物語です。 このシリーズの最大の特徴はなんといっても「実在の文学小説」をネタ本にして、その小説の筋をなぞりながら、あるいはその小説にキャラクターたちが強い影響を受けながら進んでいく―――というものです。 これはとてもすごいことだと思うのです。何よりも作者自身がネタ本にする文学作品をきちんと読み込んでいないといけないのです。その上で、その文学作品をミスリードとして使ったり、あるいはキャラクターに大いに影響を与える存在として描く訳ですが、それを行うためにはさらに作者なりの解釈を入れて、それを前提としてキャラクターなりの解釈
![“文学少女”シリーズ:文学への入り口になりうるライトノベル - 明日はきっと。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7a0023ed33dda021862ead53515a3c4e09fe3d2a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51J5B477QWL._SL160_.jpg)