「現代アートの聖地」として知られる直島(香川県直島町)で、住宅地の地価が上昇している。コロナ禍が一服して国内外の観光客が戻り、移住者が急増していることが背景にある。 そんな中で深刻化しているのが空き家不足だという。何が起きているのか。 11月のある平日の午前。高松港や宇野港(岡山県)と結ぶフェリーが発着する島西部の宮浦港周辺を歩くと、リュック姿の観光客らでごった返していた。 レンタサイクル店には長蛇の列ができており、外国人のグループ客が目立つ。店主の男性は「コロナ前よりも増えているんじゃないか」と話した。 住宅地の地価上昇は県内で唯一 香川県が9月に発表した今年の基準地価(7月1日時点)によると、市町別の住宅地平均変動率は、県内で同町が唯一上昇していた。 不動産鑑定士の鳥飼和彦さんは「コロナ明けでのインバウンドが回復した影響が大きい。さらに移住者の宅地需要に対し、供給が少ないことが上昇の要