「最初に入りますのは讃岐の名産八房(やつふさ)、不思議にも一つの幹から八つの房が出るから八房、続いては紀州有田の特産品でありますお蜜柑の皮を粉末にしたもの、陳皮と言います……」 お祭りの名物屋台のなかでも、ひときわ輝きを放つ存在、それが七味唐辛子。はじめてその屋台を見たときは衝撃を受けました。 ボウルを回転させながら鮮やかに七種の材料をブレンドしてゆく手さばき、そしてつらつらと淀みなく述べられる売り口上。「職人技だ! カッコいい……!」と興奮したものです。 しかし2020年。新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、イベントは軒並み中止に。お祭りも大多数が中止になったり、屋台の出店が取りやめになるなど、規模の縮小を余儀なくされました。 そこで今回は、SNSで出会った「七色蕃椒堂」の店主・香川仁志さんに、なんとも奥深い七味唐辛子の魅力と、異色のキャリアについてお話をうかがいました。 ※インタビ