【花房吾早子】大阪天満宮(大阪市北区)の境内でくみ上げられる「天神水(てんじんすい)」が復活する。名水とたたえられた井戸の水脈は枯れてしまったが、関西大の地盤工学者が深い地層の地下水を掘り当てた。地元の商店街は「名水を使った新たな名物を」と沸き立つ。 《藩主が参勤交代で近く大阪に着くので、毎度のことだが、滞在中はそちらの神社の水を頂きたい》 江戸後期、現在の宮崎県北部などを領有した延岡藩の役人が宮司に送った手紙の写しが、天満宮に残る。 大阪天満宮によると、天神水は、道頓堀の湧き水などと並ぶ「大坂四カ所の清水」の一つとして天皇や大名に供された。天満宮や周辺でくみ上げられる井戸水は「天満の名水」とたたえられ、周囲に130軒以上の酒蔵が並んでいた。