車輪からルータまで、人間がテクノロジを使って世界を変えてきたのと同じくらい、テクノロジも人間を変えてきた。そうした変化が起こるたびに、われわれはテクノロジの長所と短所のバランスを取ろうと苦労してきた。 ここ数十年の間に登場したテクノロジで、インターネットとウェブ以上に文化や学習、コミュニケーションに大きな影響を与えたものがあるとは思えない。しかし、作家のNick Carr氏は著書の「The Shallows: What the Internet is Doing to Our Brains」の中で、インターネットによって創造性と情報が爆発的に増大したことにはマイナスの面もあると主張している。人間の知性が浅はかになってきているという(the shallowsは「浅瀬」の意)。 Carr氏が懸念するのは、情報を容易かつ瞬時に入手できる世界で、われわれは自分の頭で考え、研究や熟考、率直な議論を通