2010年の4月時点では、就職先の決まっていない1370人の卒業生が採用され企業に派遣された。そのうち1200人が就職を決めたという。 神戸大学大学院経営学研究科教授 加護野忠男=文 平良 徹=図版作成 過去の就職氷河期を凌ぐ厳しさと言われる、大学生の就職活動。効果的な対策が打ち出せない中で、注目すべき動きが出てきている、と筆者は説く。 就職難への「対策」はいずれも場当たり的 卒業が近づいてきても就職先の決まらない大学生が今年も多いようである。その数は昨年より多くなりそうで、新記録になるかもしれないと予測されている。ありがたくない新記録である。欧米では卒業後の就職先が決まっていない卒業生が毎年たくさん発生しているが、深刻な問題とは考えられていないようだ。新卒同時採用の慣行がある日本では、新卒で就職が決まらないのは、深刻な問題となる。中途採用となると、就業経験が重視され、就業経験のない新卒