<うつ病が急激に増えており社会問題化しているが、実際にはうつ病がなんらかの「理由」として使われているケースが多いと、『うつ病休職』の著者。そもそも、うつ病はストレスによって起こるものという認識も間違いだという> 『うつ病休職』(中嶋聡著、新潮新書)というタイトルだけを見ると、うつ病で悩む人のことを取材した深刻なドキュメンタリーのようにも思える。ところが本書は、そのような角度からこの病気を扱ったものではない。 著者はクリニックを開業している現役の精神科医。最近、うつ病が急激に増えており、それが深刻な病気であることを認めつつも、「現在"うつ病"とされているもののすべてがそうかといえば、決してそうではない」と主張しているのだ。 平たくいえば、本当のうつ病で深刻に悩む人がいる一方で、うつ病がなんらかの「理由」として使われていることも否定できないという"告発"である。 最近、診察していてとくに強く感
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