広州アジア大会が開催されている広東省広州市で、コーヒーをいれた紙コップを持って通路の端に立っていたら、いきなり背後から衝撃を受けた。「熱っ!」。大きな声を上げたにもかかわらず、ぶつかった男は振り返りもせず、どんどん前に歩いていった。 謝ることは自分の不利になると信じているのか、中国人はなかなか「対不起(ごめんなさい)」と言わない。それは市井の中だけに限らず、国と国との間でも変わらないことは、沖縄・尖閣諸島周辺海域で漁船衝突事件を起こした後の、中国政府の態度に如実に表れている。 逆ギレする彼らは他人の指摘や批判を聞いていないわけではない。大会施設にかかわる標識の英語表記の間違いを指摘されると、こっそり修正。安全検査場で高校生らしき若者に本物の警官の制服を着せていることを批判すると、数日後にはジャージー姿に変わっていた。ようするにメンツの問題なのだろう。 くだんの男の態度に据えかねて後を追った