陸の風や雨は、「風化」の働きで岩石の成分を削り取って川へ、そして海へ運ぶ。それが形を変えて海底に沈んで積もる。静岡大学の池田昌之(いけだ まさゆき)助教らの研究グループは、海底に積もった「堆積岩」を調べ、恐竜がかっ歩していた中生代に、太陽からの日射量のわずかな変化が、風化の激しさを大きく変えていたことを明らかにし、このほど発表した。日射量の増減が地球の環境に大きく影響することはこれまでにも指摘されていたが、風化との関係が詳細に分かったのは、これが初めてだという。 池田さんらが注目したのは、海底が隆起して地上に出てきた岐阜県と愛知県に分布する堆積岩。おもにガラス質の粒子が固まってできた「チャート」という堆積岩だ。このチャートができたのは、今から2億5000万年~1億8000万年前の中生代前半。ガラス質でできた骨格を持った放散虫という動物プランクトンがそのころの海に多く存在し、放散虫が死んで沈
