タグ

ブックマーク / ita.hatenadiary.jp (13)

  • ダイマー法のざっくりした説明 - ita’s diary

    A dimer method for finding saddle points on high dimensional potential surfaces using only first derivatives, G Henkelman and H Jónsson, J.Chem.Phys. 111, 7010 (1999). 院生の方に原論文を解説してもらいざっくり理解したのでその説明。 「峠点 saddle point」を見つける計算手法です。たとえば小仏峠。右は影信山、左は城山、手前が東京、向こうが神奈川です。昔は甲州街道がここを通ってました。いまはトンネルで、渋滞名所ですが。 山を越えるのにいちばん楽なルートはどこか。標高だけ考えれば、歩いていて一番標高が高くなる場所が、なるべく低いほうが楽です。一番高い場所が一番低くなる地点。最大の最小を求める問題です。単純な最小(盆地の底

    ダイマー法のざっくりした説明 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2017/06/22
  • 量子論の発展 - ita’s diary

    『エターナル・フレイム』作中で量子力学が確立されていく過程。 エターナル・フレイム (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: グレッグイーガン,山岸真,中村融出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/24メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見る 「とびとび」 1900年代はじめ、各国は国力を上げる競争をしていました。そこで重要なのが製鉄。溶鉱炉の色から温度が分かれば色々便利そうです。赤、黄色、白とだんだん熱くなっていくのを数値で現そうという。しかしモデルを立てて計算してみると、無限のエネルギーの光が出てくるという無意味な結果しか出てこない!なにかが間違っている。とりあえず「物理屋つかえねーな」と無視して経験則で鉄を作ってれば問題ないですが。 そこである物理屋が、何故か「光の強さがとびとびの値しか取れない」ということに根拠もなくしてみると、うまく実験と合うことを発見

    量子論の発展 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2016/09/29
    グレッグ・イーガン『エターナル・フレイム』
  • イーガン分かる人は実はそんなに賢くない - ita’s diary

    巷に「わかんねー」という感想が溢れるイーガンのハードSF作品群ですが、一部には内容に踏み込んで面白がってる読者層もおります。 なぜ分かるのか。実はカラクリがありまして、読んでその場で考えてるんじゃないのです。既に考えたことある話なのです。 たとえばクロックワーク・ロケット、作者が「次回作は物理の方程式の符号を一つ変えた宇宙の話です」と公表した時の自分のblog記事:http://d.hatena.ne.jp/ita/20091110 この記事に書いたような話は、実際作中で登場人物たちが議論を行っています。なのでそのあたり、普通は頭を抱える部分が「あーそうねーそうねー」と答え合わせをしながら流し読みするだけで済むので、考えなくていいのです。時間と空間が全く等価な宇宙がどのようになるか、なんて話も『白熱光』やら『対称』やらで何度も出てきた話なので、「分からない」というのが全く分からない、ですね

    イーガン分かる人は実はそんなに賢くない - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2016/04/02
    ははエイプリルフールw
  • 資料 - ita’s diary

    資料 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2016/03/14
  • イーガン新作 - ita’s diary

    恵贈御礼。今回は物理とかほとんど出てこないので貢献はほとんどしていないのですが、恐縮です。 ゼンデギ (ハヤカワ文庫SF) 作者: グレッグイーガン,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (24件) を見る 内容について英語版を読んだときの記事を一部再掲 http://d.hatena.ne.jp/ita/20100702/p1 時は2027年、ライバルに客を取られたネトゲ開発者が、起死回生の策として物の人間と見分けがつかないbotというかNPCを作ろうと思い立つ。実はこの開発者はかつてMITで脳をスキャンしその機能を再現する研究をしていた研究者で、オープンソースになった人間の脳のデータを使ってbotを作ろうとする。しかし、チューリングテストを通ってしまうbotって意識あるんじゃね?という話。近未来の話なので、今ある技術の延

    イーガン新作 - ita’s diary
  • 「白熱光」解説記事 - ita’s diary

    SFが読みたい! 2015年版 作者: SFマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/02/10メディア: 単行この商品を含むブログ (14件) を見る「SFが読みたい2015年版」に短い記事を寄稿しました。冒頭はこんなかんじ 「白熱光」の偶数章では、我々の世界の物理学とは違う視点でニュートン力学、相対性理論などが展開されますが、こちらの世界の物理学とどう対応するのかはあえて説明がありません。こちらの世界の物理学に挫折した人も、リフレッシュして別の視点で虫さんたちと一緒に物理に再挑戦しよう!といったノリでしょうか。稿では、こちらの物理学との比較を行って、作中で何が進行しているのか種明しをしようと思います。 (1)初級編:ニュートン力学 物理を勉強すると最初に出てくる力学。基中の基ですが直感的に理解するのは意外と難しいものです。例えば、「力が働かない物体は同じ速さ

    「白熱光」解説記事 - ita’s diary
  • 存在の輪の作り方 - ita’s diary

    こちらの記事で考察されています。 http://memeplex.blog.shinobi.jp/Date/20150108/ 他にも計算理論的考察もすごく面白いです。 http://memeplex.blog.shinobi.jp/Date/20150106/ このへんは真面目に研究してる人もいるようです。計算理論における色々な問題のクラスがclosed timelike curveが利用可能な時にどうなるか。 http://www.scottaaronson.com/talks/nsfcolloq.ppt まず剛体球ですが、以下のような近接相互作用を考え、剛体を構成する各粒子が世界線に垂直な面内で相対位置を保つようにすれば、曲がるストローのような感じでいいのかもしれません。近接にすれば1+1次元空間で未来の情報がいるけど衝突角度で分類してなんとかなりそう。 つぎに存在の輪ですが、はじめ

    存在の輪の作り方 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2015/02/09
  • バトルシップのゲーム理論 - ita’s diary

    バトルシップはマインスイーパーのようなゲームで昔からあるボードゲームです。映画バトルシップのモトネタになりました。 ルールは説明するよりプレイしたほうが早いんでこちらを。 http://www.sousakuba.com/flash-games/battleship-game.html 例えば単純化して3x3のマスに1x2の駆逐艦だけを置く場合を考えます。置き方は以下の12通り。 □■□ □□□ □□□ □□□ □■□ □■□ □■■ ■■□ □□□ □■□ □□□ □□□ ■■□ □■■ □□■ □□□ □□□ □□□ □□□ ■□□ □□□ □□□ □□■ □□■ □□□ □□□ ■□□ ■□□ □□□ □□□ □□□ □□■ □■■ ■■□ ■□□ □□□ これをランダムに選んだ場合、初手で真ん中を攻撃すると当たる配置は上の4通りで、当たる確率は4/12=1/3。角を攻撃すると当たる

    バトルシップのゲーム理論 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2014/12/30
  • 大傑作SFどんどん出てます - ita’s diary

    気合入れて紹介すべき傑作がたくさんあるのですが、提督業にかまけてさぼっておりました。 皆勤の徒 (創元日SF叢書) 作者: 酉島伝法出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/08/29メディア: 単行この商品を含むブログ (31件) を見る異形の描写、異形の用語、とんでもなく高密度な文、もふもふな「ももんじ」、青春、ハードボイルド、世界の謎、そして著者自身による精密な挿絵。さきごろ日SF大賞を受賞。 作者の酉島さんは僕の甲虫マクロ写真も見てくださってるんでうれしいかぎり。 甲虫の点刻に惹かれる人は読んで気に入ることうけあい。 The Arrows of Time: Orthogonal Book Three 作者: Greg Egan出版社/メーカー: Gollancz発売日: 2013/11/21メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るKindle

    大傑作SFどんどん出てます - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2014/03/28
  • 艦これユーザーアクティビティの冪分布 - ita’s diary

    今人気のブラウザゲーム艦これ」では、各サーバごとにプレイヤが獲得した経験値のランキングが見られるようになっている。ランキングは毎月始めにリセットされる。月によっては上位者に通常プレイでは入手できないアイテムが配布されたりする。またランキングに応じて「元帥」「大将」「中将」・・・とプレイヤの称号が変わる。ある月に大将になっても次の月はみな新兵からスタートになる。 以下の図はブルネイサーバにおける上位1000位までのプレイヤの12/26と12/27における得点をプロットしたもの。だいたい得点は順位のべき乗、具体的には-1/4乗に比例していることが分かる。こうした冪分布は書籍の売り上げ順位と部数の関係とか、単語の出現順位と頻度などでも見られる。単語の頻度ではだいたい頻度が順位の-1乗となることが分かっている。-1/4乗というのはそれに比較して傾きがゆるい、すなわち、わりとみんな同じ位のエフォー

    艦これユーザーアクティビティの冪分布 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2014/01/03
  • はじめに - ita’s diary

    白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: グレッグ・イーガン,Rey.Hori,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/12/06メディア: 単行この商品を含むブログ (27件) を見るグレッグ・イーガン『白熱光』の図やリンクなどが置いてあります。11章以外はネタバレなし。を読んでる途中で文章だけでは状況がよく分からない時、その章のページをクリック!たぶん図があります。 作者の解説HP:http://gregegan.customer.netspace.net.au/INCANDESCENCE/Incandescence.html 図など 1章:銀河系地図 2章:スプリンターの図 6章 8章 11章(11章を読んだ後で) 12章 13章 14章 15章 16章 20章 26章 用語の細かい点など 巻末の参考文献へのリンク+よさげな 超ネタバレ、読後用 作中の天体

    はじめに - ita’s diary
  • グレッグ・イーガン 異界量子論発見譚 - ita’s diary

    The Eternal Flame (Orthogonal) 作者: Greg Egan出版社/メーカー: Nightshade Book発売日: 2012/08/26メディア: ハードカバー クリック: 34回この商品を含むブログを見る時空の計量が++++の世界のお話、第二巻。こちらで冒頭を読めます。 http://gregegan.customer.netspace.net.au/ORTHOGONAL/E2/EternalFlameExcerpt.html 第一巻は相対論の発見でした。ざっくりとした説明をこちらに寄稿したのでどうぞ。 http://ensemble-sf.info/2012/09/void-which-binds-1.html さて今度は量子論の発見になります。こちらの世界であれやこれやの実験で謎の結果が出てきて、それを解明するために量子論が出てきた訳ですが、あちらの世

    グレッグ・イーガン 異界量子論発見譚 - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2012/12/10
  • プランク・ダイヴの人たちは何が知りたいのか - ita’s diary

    プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF) 作者: グレッグ・イーガン,鷲尾直広,山岸 真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/09/22メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 120回この商品を含むブログ (64件) を見る 大学で量子力学が出てくると、天下りでシュレディンガー方程式がでてきて、とにかくこれで計算すればいろいろ合うんじゃー!と叩き込まれるわけですが、「なんで?」と聞いちゃいけないのが量子力学。なぜなら「なんで?」の答えは誰も知らないから。 それでファインマンはもうちょっと深く考えて、ある点から別の点へ粒子が移る確率はそのあらゆる経路を考えて、それぞれの経路にexp(iθ)という複素数のウェイト(フェーズ)をかけて足し合わせることでシュレディンガー方程式と同じ結果が出る、ということを見つけました。話を単純化すると、θは一定の割り合で時間とともに増え続けるけど、じゃあ

    プランク・ダイヴの人たちは何が知りたいのか - ita’s diary
    dowhile
    dowhile 2011/10/20
  • 1