IT業界で古くから使われてきた言葉にFUD(Fear Uncertainty Doubt)がある。顧客にあえて恐怖、不確実性、疑念を持たせるやり方をそう呼ぶ。米ブロードコムが米ヴイエムウェアの買収に伴ってまき散らしたFUDは、この規模のテクノロジー企業買収で前例がないほど大きい。 買収後の2カ月間でヴイエムウェアの従業員数千人を解雇した。ヴイエムウェアが米デル・テクノロジーズと共に築いてきた、世界6万5000社とのパートナープログラムを終了させ、パートナー企業に再申請を強要。パートナーが保持してきた上位2000件の顧客をブロードコムの顧客に切り替えた。 2024年2月中旬から4月上旬にかけて、ヴイエムウェアの仮想化ソフトウエア製品群を利用している全顧客に対し、売り切りの永久ライセンス廃止を通告、サブスクリプションベースのライセンスへの移行を求めた。この通告はパートナーを通じて行われた。 通