bookとwordに関するdragon-bossのブックマーク (12)

  • 「詩」というもの/谷川俊太郎|「新潮」編集部

    僕が小学校に行ってた頃ね、日戦争してたでしょ、戦地の兵隊さんに手紙を書きましょうなんて宿題が出るわけ、僕は何書いていいかわからないんだ、母にそう言うと、自分のことを書けばいいのよと言われる、そこでまた困っちゃうんだ、自分のことって何書けばいいのって言うと、遊んだことでも、勉強したことでもなんでもいいのよと母は言う、そうすると頭に浮かぶのは、朝起きて顔を洗って朝ごはんをべてみたいなこと、子供心にも全然面白くない、いやいや鉛筆でひらがなと漢字を書いていた。 今考えるとこれは一種のトラウマになったんじゃないかな。文章を書くのはとにかく苦手、それより前に字を書くのが既に苦痛だった。思うように字が書けない、しょっちゅう母親に直されていた、大人になってからも字が上手く書けない。それが字を書いて言葉を操ることで暮らしを立てるようになったんだからわからない。「詩」というものが存在してなかったら、僕は

    「詩」というもの/谷川俊太郎|「新潮」編集部
    dragon-boss
    dragon-boss 2022/02/16
    《僕に小説が書けないのは、自分に生きることを物語として捉える興味がないから、ひいては自分自身を含めて人間そのものに執着がないからかもしれませんが、生きるいのちの一瞬には時として深い感動を覚えます》
  • ■ポルトガルの詩人ペソアをわかりやすく紹介しようとしたら一万字を超えた話|どっかの出版社営業マン

    人生は意図せずはじめられてしまった実験旅行である。 自分について悩んだことのない人は、そんなにいないと思う。 誰かに恋したときなのか、あるチャレンジをして挫折したときなのか、人と比べて自分の人生が劣っていると思ったときなのか、それとも夜一人部屋で電気を消してベッドにポツンと大の字になってウォークマンを聴いたときなのかは人それぞれだろう。 そんなときの悩みは、だいたい「私っていったいなんなんだろう」というやつで、自分の存在意義、存在の矮小さ、自分への他人からの評価の低さ、恋人もいない、声をかけてくれる友達もいない……と考え始める。 こういうときどうやってみんなは人生を過ごしてるのだろう? そもそも自分に友達なんていたっけ……? 人生をうまくやるコツ、人に嫌われないでいる方法、自分が自分に誠実でいられる方法……ああ、またぐるぐるうじうじ始まった。 そんなときにふと開いた、目に入った一節。

    ■ポルトガルの詩人ペソアをわかりやすく紹介しようとしたら一万字を超えた話|どっかの出版社営業マン
  • 《第65回》文部科学大臣賞作品紹介(1)

    第65回全国小・中学校作文コンクールの中央最終審査会が行われ、各賞が決定しました。応募は3万5095点(小学校低学年4883点、高学年8081点、中学校2万2131点)。文部科学大臣賞3点を要約して紹介します。(敬称略) <2015年11月30日の読売新聞朝刊に掲載しました> <中学校> 「夢の跡」 静岡・静岡サレジオ中2年 高田愛弓(たかだ・あゆみ) 父が、逮捕された。 自宅には家宅捜索が入った。毎日「いってきます」と「ただいま」を繰り返す門扉は、マスコミ陣で埋め尽くされた。 2015年5月26日、夕刻のことである。 6人の警官が玄関先で卵のパックに収まっているかのように待機する中、母は親戚に電話をして、駅前のビジネスホテルを押さえてもらうと、祖母に連絡を取り、そこから叔母が私を迎えに行くように手筈(てはず)を整えた。 テレビドラマでしか観(み)たことがないようなことが自分の家で起こって

    dragon-boss
    dragon-boss 2015/12/02
    優れた文章力、冷徹な視線、どこかハードボイルド、最後には光あり。たまげた中二がいたもんだ。全文読みたい。
  • 週刊ゴングの思い出 - yamazaki666 卍ピャウ!ピャウ!ピャウ!卍

    ゴングといえば月刊時代、マスカラスが開脚ジャンプした股間にデストロイヤーの顔面が当たってしまった空中フェラ写真を表紙にしたり、「スタローン、プロレス新団体旗揚げ!」と大スクープをやらかしたりして、プロレスファンを常に喜ばせてきましたが、最後に我々にくれたビッグプレゼントといえば2005年11月30日号(No.1100)だったと思います。 ブルーザー・ブロディvsディック・ザ・ブルーザーの試合映像やアントニオ猪木vs大木金太郎の試合前記者会見音声を収録したDVD、とてつもなくつまらない新日中邑漫画も嬉しいところですが、やはり究極だったのが長州力インタビュー。 ほんの少し抜粋すると、 どこどこのモノがどうなってるとか、そういうことじゃないんですよ。俺たちは一の柱が間違いなく建ってるんですよ。間違いなく俺たちは建ってる。新日より遥かに強い柱が建ってる。ただ屋根はない。うん。雨ざらしの。 じ

    週刊ゴングの思い出 - yamazaki666 卍ピャウ!ピャウ!ピャウ!卍
    dragon-boss
    dragon-boss 2013/04/06
    あったな、こんなインタビュー。《徹底したリアリズムの追求が奇跡を生んだ記事》。
  • 埴谷雄高の『不合理ゆえに吾信ず』を読んだのだか読んでいないのだかわからない - 関内関外日記

    埴谷雄高『不合理ゆえに吾信ず』を読んだ、といっていいのかどうかわからなかったのだった。ようするに前半に収録されている「アフォリズム集」など、率直にいえば「日語でおk」の気になってしまうわけなのだった。 それでも雨の土曜日、布団の上で読んでは寝て読んでは寝てを繰り返しつつしていると、不思議となつかしい気持ちになってくるのだった。雨音の外は片瀬の丘の上の家の二階であって、窓の外に腰越の浜につづく家々を見下ろす景色があるように思えてくるのだった。 十五年、下手すれば二十年前の俺も、ときどきこんなふうに、父の棚から取り出したなにかよくわからないの字面を追っていたのだった。ただし、俺は字面を追うのが精一杯で、だいたい知らない単語、固有名詞にあふれていて、それを読書と呼べるのかどうかも怪しいのだった。それでも、なにかそれが自分を遠いところに連れていってくれているような、そんな気にはさせてくれてい

    埴谷雄高の『不合理ゆえに吾信ず』を読んだのだか読んでいないのだかわからない - 関内関外日記
    dragon-boss
    dragon-boss 2012/06/18
    《俺の厄介な性分として、生活者の実感や無学が学を軽蔑する態度というものについて、まったくそれに与したくないのだった》
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  • 芥川賞に選ばれて:言いたいこと、あの夜と今=田中慎弥 - 毎日jp(毎日新聞)

    すでに各メディアで流されたから御存知の方も多いだろうが、一月十七日、私の小説が芥川賞に決まった日の夜、東京でバカな記者会見をした。女優の言葉を引用し、自分がもらって当然と言い、さらに石原慎太郎都知事に言及した。その後のさまざまな報道のされ方の中には、事実と違う部分がかなりある。終わったこととはいうものの、私の知っている範囲の事情を、どうしても書いておきたい。 まず、十七日の会見の段階で私は、石原氏が六日に行った、今度の芥川賞候補作はバカみたい、という発言を全く知らなかった。正確な内容を知ったのは十八日になってからだ。次に、会見内での、もらって当然、都知事と都民のためにもらっといてやる、という言い方は、はっきり言うと最終候補になるずっと前から、もしその時が来たら言ってやろうと準備していたものだった。だから、六日の都知事の発言に田中がかみついた、というのはメディアが勝手に作った図式だ。 もう一

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    dragon-boss 2012/01/27
    《ひょっとすると、言いたいことを自由に言っている石原氏や私は、古いタイプの書き手なのだろう》。ポイズン。
  • 頭骨の話。読むことについて。ひとりの人の話。神様について。 - open-source

    読書感想とそれ以外とを区別して書こうと試みたのですが、うまくいきませんでした。これから先、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を初めて読むかもしれない方は、お読みにならないほうがよいと思います。内容にも触れます。 7月19日は俺にとってとても大切な日だった。今年のその日の前の日に、俺は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み終えた。読み終えた日が7月18日であったということ、読み終えた小説が『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』であったということ。狙ったわけではないのだが、一日はなれた形で頭骨の符合が生まれた。 大切な日に、ひとりの人とお会いした。正確には、ひとりの人とお会いしたから、その日は俺の大切な日になった。 ひとりの人が口にした冗談を、俺はいまでも覚えている。「待ち合わせるときにバラの花をくわえましょうか。目印として」その街に、その駅に、一輪

    頭骨の話。読むことについて。ひとりの人の話。神様について。 - open-source
    dragon-boss
    dragon-boss 2011/07/24
    《だから、言葉を探している。アウトプットを続けるしかない。あらゆるアウトプットを尽くせば、奇跡が起こるかもしれない。一筋の夢を捉えることができるかもしれない》
  • 逆襲のブロガー

    息子と車中で聴くためのプレイリストを毎月作っている。なるべくポップなもので、新譜中心がいいかな、と思ってはいるものの、懐古趣味的なものが混じることもあり(6月のプレイリストでいえば、「微笑みの爆弾」)、とくに明確なコンセプトはない。今でさえ、息子と同じ音楽を聴くという機会はドライブのときぐらいのものだが、そのうち息子にも自分の趣味が生まれてくるだろうから、こうした時間もそれほど長くは続かないだろう。 2022年6月のプレイリストでは、何といってもOMSBの大衆が素晴らしかった。OMSBという人のキャラクターを僕はほとんどしらないのだが、プレイリストに登場するのは今回が初めてではない(「CLOWN」が2021年12月のプレイリストに登場)ので、すでに一方的な親しみを感じている。優しいけれども、醒めた諦観のようなものも漂わせていて(きっとさんざん裏切られてきたのだろう)、それでいてまったく不貞

    逆襲のブロガー
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    dragon-boss 2010/12/09
    《たぶんきっと、ほんものの神様だって、この世を自分の思い通りにデザインできたわけじゃないんだろう》。甘ったるいピュアネス、それを書ききる事。
  • 安コーヒー屋でブコウスキーを読みながら、「ヒッチャー」のジェニファー・ジェイソン・リーを想い出す。 - 北小路ゲバ子の恋

    *1 なんとかかんとかed by 関内関外日記「『死をポケットに入れて』チャールズ・ブコウスキー/中川五郎訳」(2005-08-09) ←のリンクこそ、このエントリのすべてである。以下に書かれるものは、まったくの余談に過ぎない。 みじめったらしい部屋で読むのも何だしなと、ブコウスキーの「死をポケットに入れて」をわしづかみにして、サンマルクカフェに入る。私の中では色川武大「狂人日記」と並ぶものになるかもしれない。そんな書籍を読むのだから、タリーズに行ってもいいくらいだ。 河出文庫を買ったのはいつ以来であろうか。背のデザインが変な黄色になってからは初めてのはず。以前の白の"ぬめっ"としたカバーは好きだったのだが。松浦理英子の小説には、あの"ぬめっ"としたカバーがほんとうによく似合っていたじゃないか。 はじめて買った河出文庫は何だったかといえば、「ブルックリン最終出口」。著者の名前はなんど目にし

    安コーヒー屋でブコウスキーを読みながら、「ヒッチャー」のジェニファー・ジェイソン・リーを想い出す。 - 北小路ゲバ子の恋
    dragon-boss
    dragon-boss 2010/03/08
    《他にすること、行く場所があるから、長居などしないわけで、すなわち、いい人生でもある》/黄色にはいまだに違和感がある。/実は勿体なくてまだ読んでない。カフェで読もう。
  • 作家の読書道:第52回 町田 康

    『天才バカボン (1)』 赤塚 不二夫(著) 竹書房 591円(税込) >> Amazon.co.jp >> HonyaClub.com 『あしたのジョー (1)』 高森 朝雄, ちば てつや(著) 講談社漫画文庫 693円(税込) >> Amazon.co.jp >> HonyaClub.com 『わるいやつら〈上〉』 松 清張(著) 新潮社 700円(税込) >> Amazon.co.jp >> HonyaClub.com ――文章や言葉に触れた最初の記憶は、いつ頃ですか? 町田康(以下 町田): : そうですね…。小学校低学年ぐらいの時は、漫画を読んでいましたね。『少年マガジン』、『少年サンデー』…。断片的にしか覚えていませんが、『あしたのジョー』や『天才バカボン』という時代だったと思います。毎週は買っていなかったと思っていたんですけれど、後日大人になってから『あしたのジョー』を読

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    dragon-boss 2010/03/07
    《小説が文字を使って書かれている以上、読んで別の時間に逃避しても、文字の力によってどうしてももう一回現実の時間に押し流されてしまうところがある。自分が変わるということは、そういうことなんだと思う》
  • ハンプティ・ダンプティとしてのハルキ・ムラカミ - 赤の女王とお茶を

    遅ればせながら、新年おめでとうございます。今年もマイペースでございますが、よろしく。 年末年始はごく個人的プロジェクトとして、村上春樹の読み直しをしてみました。1Q84は未読なのですが、その前におさらいといったところでしょうか。 もう一つは、昨年注目されたはエルサレム賞のスピーチ。なんとなくひっかかる内容なんですよね。卵と壁の比ゆは確かに分かりやすかったのですが、ハルキ・ムラカミってそんなに分かりやすかったっけ?というもやもや感がありました。 で、読んでみたのが チョイスはたまたま手元にあっただけなんですが、デビュー作、初長編、初ヒット作、と意外とバランスのとれた三作になりました*1。 結論から言うと、人が冒頭で「小説家として」宣言したとおり、エルサレム賞のスピーチにはやはり「嘘」がある。 「クレタ人のアレ」をいいだすとややこしいので、より正確にいうと、そもそもハルキ・ムラカミの小説は「

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