このエントリは、『ハーレム系作品史1996 サクラ大戦/語られない90年代 (1)』の続きです。 まずはそちらからお読みください。 プロデューサー(ゲームマスター):広井王子 現代オタク論の基本文献として、私が真っ先に思い浮かべるのは大塚英志の『物語消費論』と『キャラクター小説の作り方』です。岡田斗司夫や唐沢俊一など古参オタクの本も歴史史料としては重要ですが、情報を集めること自体が目的になってしまう第一世代オタクの視点では「現代」は読み解けない。集めた情報に対して、独自の解釈・考察を加え、さらに再構成まで行う、いまの消費者の有り様を本格的に論じたのは大塚が嚆矢。 大塚の初期の物語論をまとめた『定本・物語消費論』の中で、最も多く触れられている80年代の「作品」は、『ガンダム』や『キャプテン翼』ではなく、なんと「ビックリマンチョコ」。最近またコンビニで見かけるようになった、例のシール付ウェハー