グローバル化の波が「正社員」の足元にも幾度となく押し寄せる。定着するかに見えた「ハイブリッド型」も陳腐化していくのか。 正社員として会社に入れば、定年まで身分は安泰。その代わり、異動も転勤も会社の思うまま──。戦後の長い間、そんな日本人サラリーマンの働き方を支えてきた人事制度が、バブル崩壊後の四半世紀にわたり、何度も見直しを迫られてきた。 戦後の人事制度の根底にあったのは「終身雇用」と「年功賃金」という二つの思想だ。それらを体現してきたのが、「職能資格」という等級制度と、それに対応した「職能給」という賃金体系だった。 職能資格制度とは、社員の能力に応じて等級を決め、賃金などの基準とする考え方。「部下に的確な指示ができる」など、等級ごとに求められる能力が定義されている。多くの企業が、この等級をもとに賃金を決める「職能給」を採用してきた。日本企業の賃金は、「仕事」や「成果」より「人」に支