米国の大統領選挙は、ご案内の通り、ドナルド・トランプ氏の勝利で決着した。 お恥ずかしい話だが、私はこの結果を、ほとんどまったく予期していなかった。 3カ月ほど前までは、トランプ氏が大統領の椅子に辿り着く可能性を、多少は勘定に入れていた。 が、10月の最終段階のテレビ討論会を見て、私はトランプを見限った。 この様子では、仮にクリントンの側が多少のスキャンダルに見舞われたとしても、逆転することは不可能だと判断した。 両候補の間にある実力差は、私の目には、メジャーリーガーと甲子園球児の間にあるそれと比べても遜色ないほど明らかに見えた。 対外的に話をするケースでは、発言の語尾に一応の含みを残すことを心がけていたものの、それも、言ってみれば、断定を避けるものの言い方を通じて自分の知的さをアピールしていただけの話で、内心では100パーセント、ヒラリー・クリントン氏の勝利で鉄板だと確信していた。 それが
![ジョーカー、戴冠へ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f2a880340a7d86c182988ad5e80833cd7c163b19/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fopinion%2F15%2F174784%2F111000069%2Ffb.jpg)