漂着物が「えびす様」 室町時代以後、恵比寿様は日本神話に出てくる神々の中で最も庶民に身近な神様とされた。これは漁民の間に古くから広まっていた漂着物を祭る習俗が、福の神信仰と結びついたことによるものである。 「えびす」の神を表わす、きわめて多様な表記がみられる。その主なものを掲げておこう。 恵比寿、意比須、戎、夷、蛭子、恵比酒、江美須、江比須、狭、胡。 これらすべてが「えびす」と読まれる。「えびす」のことを、「えべつ」や「えベっ」と呼ぶ地方もある。また「えびすさま」、「えべつさま」と「さま」を付けて呼ばれるところも、「えびすさん」、「えべつさん」と「さん」を付けるところもある。「えびす」神が多くの人に愛され信仰されたために、このような多様な表記や呼び方が生まれたのだ。漁業地帯には、海から上がった漂着物をご神体として祭る習俗が広くみられた。丸い石、鯨の骨、南方から流れて来た日本にない道具などが
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