【北京=西見由章】「武漢へ行け!」。中国共産党機関紙、人民日報が通信アプリ「微信」に配信した記事の見出しが国内外で注目を集めている。習近平国家主席による北京視察を伝える記事に続いて、別記事のこの見出しをアップしたためだ。新型コロナウイルスの感染対策で「自らの指揮」を強調する習氏が、いまだ被害が深刻な湖北省武漢を訪れていないことへの巧妙な批判ではないかとの憶測を呼んでいる。 習氏は10日、マスク姿で北京の居住区や病院を視察し、感染防止に取り組む市民や患者の治療にあたる医療従事者を激励。人民日報はアプリ内の記事一覧で、この視察を伝える記事に続いて「武漢へ行け!」との見出しをつけた記事を掲載した。湖北省の各市に対する他地域の支援の分担が決定したことを伝える内容で視察とは無関係だった。 ただインターネット上では、2つの記事の見出しが並んだネット画面を保存した写真が拡散。米政府系のラジオ自由アジア(