え? エッセーのタイトルが『超人計画』だって!? す、凄すぎる……。誰だ、エッセーにこんな"誇大妄想な"タイトルを付ける奴は。 その人こそ「鬱屈した青春を後ろ向きに駆け抜ける」(処女小説の帯の惹句より)、自称「ひきこもり世代のトップランナー」(第2小説の帯の惹句より)の滝本竜彦である。 『超人計画』は、一言でまとめるなら、年季の入った"ひきこもりのプロ"が取り組んだ、"自己改造プロジェクト"だ。日に16時間眠り、起きている間はパソコンの前に座って悪い動画を蒐集するばかりの青年は、まともな人間として自力再生できるか? スリリングにして無謀な試みの同時進行の記録であるこのエッセーは、随筆と言えば滋味に富んだものという我が国の伝統を足蹴にする、笑えて痛い怪作である。 1978年、北海道生まれ。ひきこもりが高じて大学を中退し、輝かしい青春のひとときをフルスイングでドブに投げ捨てる。小説