この原稿は、『新潮45』2007年8月号に寄稿したものです。その後、稿を大幅に改めて『続スポーツ解体新書』(財界展望社/刊)に採録しました。つまらない三下力士の下手糞な出来山が騒がれ、大相撲の「近代スポーツ化」を主張する論調までが堂々とまかり通る世の中、大相撲の危機を感じて“蔵出し”します。この「雑誌掲載版抄録」を読んで少しでもオモシロイと思った方は、是非とも『続スポーツ解体新書』をお買い求めいただき、改訂版全文をお読みください。恥ずかしながら、宣伝でした(笑)。よろしく! 大相撲には八百長があるのか? そんな話題でメディア(とりわけテレビ)が、さんざん大騒ぎしたことがあった。 野暮で無粋な世の中になったものだ。 きっかけは週刊誌の記事だった。後述するが、小生はその記事の中味を高く評価している。いかにも週刊誌的な派手な見出しで相撲界の八百長を「告発」してはいるが、明らかに方向を見誤った相撲