昨日、長幸男氏の『石橋湛山の経済思想』で解説した漸進的構造改革についてですが、その昔、拙著『経済論戦の読み方』(講談社現代新書)でも説明したことがありました。以下は、その新書そのものではないのですが、草稿の一部を貼り付けておきますのでご参考ください。誤記などがあるかもしれませんが修正はしていません。また漸進的構造改革は、このブログではここでも触れています。 漸進的構造改革とは? ところで構造改革は非常に時間のかかるものである。なぜなら構造問題の多くは利権集団による既得権益によって保護されており、その改革は難航するのが普通である。また慎重に進めないと、構造改革という美名の下にあらたな権益さえも発生しかねない。例えば国有化企業を民営化するときに、特定の集団や個人に企業を払い下げてしまえば、それは本来の構造改革に逆行する。 このように複雑な権益システムを紐解かなくてはいけないために、歴史的に成功