印刷 垳川を挟んで左側が八潮市垳。区画整理の工事が続く八潮市「垳」地区の地図 区画整理事業が進む埼玉県八潮市で、日本の地名でただ1カ所「垳(がけ)」の文字を使った地名「大字垳」が崖っぷちに立たされている。市が垳の大半を新地名に変えようとしているからだ。「思いとどまってほしい」。市民や専門家らが声を上げた。 八潮市大字垳は、つくばエクスプレス八潮駅から徒歩約10分、中川と垳川に接した地域。約0.5平方キロの面積に639世帯、約1500人が住んでいる。市は2013年に一部の区画整理が終わることから、周辺の大字「大原」「大曽根」も合わせて垳の面積の約9割を新地名に変える方針だ。今年1月、住民に行ったアンケートでは、選択肢として「桜町」「青葉」などが示された。 これに対し、垳町会長の島根秀行さん(72)は「八潮にしかない垳は、文字の文化遺産。歴史がある『垳』を大切にしてほしい」。同市の大学職