今、「政策起業家」という言葉が注目されている。 政策起業家とは、行政・議会の外から民間の立場で政策に影響力を与えていくプレイヤーのことだ。 この言葉を初めて聞く人も多いかもしれないが、認知度は徐々に上がっている。たとえば、病児保育を展開する認定NPO法人フローレンスの代表理事である駒崎弘樹氏は今年、小規模保育の規制緩和や男性の産休創設に至るまでの自身の政策提言の経験などを綴った『政策起業家』(ちくま新書)を出版した。 さらに、NPO法人SETの三井俊介代表理事は豪モナシュ大学のミントロム教授が執筆した『政策起業家が社会を変える:ソーシャルイノベーションの新たな担い手』(ミネルヴァ書房)の翻訳本を出している。 政策起業家たちの功績 政策起業家という言葉自体はけっして新しいものではない。海外では、ジョン・キングダンの公共政策の古典とも言える1984年の『アジェンダ・選択肢・公共政策』にこの言葉