新材料開発や創薬研究などへの応用が期待される量子コンピューターで、新方式の開発が加速している。量子計算に使う基本素子を半導体技術で作製する研究で、日本は世界でもトップクラスの実力を持つ。超電導やイオン(電荷を帯びた原子)を使う他方式と比べて小型化・集積化しやすく、複雑で難しい演算にも応用できると期待する。量子技術で欧米勢に後れを取る日本だが、強みの半導体製造技術を生かして巻き返しを図る。 量子コンピューターに半導体の集積化技術を応用する「シリコン方式」は、将来の有望技術として期待されている。複雑な演算に使えるゲート型の量子コンピューターには、現在主流の「超電導方式」や「イオントラップ方式」などさまざまな方式があり、それぞれ実用化に向けた開発が進んでいる(表1)。シリコン方式は量子計算を担う「量子ビット」の制御が難しい半面、一度技術が確立すれば半導体のように多数の素子をチップに集積化でき、大
「とうとうあの人も行ったらしいぞ」――。パワー半導体分野の学会やイベントで、日本の研究者や技術者が集まると決まって話題になるのが、中国企業への移籍である。中でも、頻繁に登場するのが華為技術(ファーウェイ)だ。 ファーウェイは自動車分野に力を注いでおり、電動化の要となる車載パワー半導体の技術者をかき集めている。かつて日本の大手自動車メーカーでIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やSiC(炭化ケイ素)などのパワー半導体の研究開発を主導してきたベテラン技術者がファーウェイに転職するなど、既に人材流出は始まっている。 ファーウェイは、スマートフォンやパソコンなどの「弱電」から、蓄電設備やデータセンターなどの「強電」まで、幅広いパワーエレクトロニクス技術を有するといわれている。それでも車載分野は特殊であり、経験者の採用は不可欠だ。そこで、ハイブリッド車を中心に自動車の電動化で先行してきた日
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く