第1部<総論> 巨大生産能力と最先端技術で 新興国向けのLSI生産基地へ ファウンドリー企業が,圧倒的な生産能力により,世界のLSI生産を一手に引き受け始めている。LSI生産とともにかき集めたノウハウや知見を生かし,技術力でも世界の先頭集団に躍り出る。機器メーカーは「メガメジャー」化しつつあるファウンドリー企業とどう付き合うべきなのか。 「このまま日本の大手半導体メーカーと一緒に,デジタル・カメラなどに搭載する心臓部(SoC:system on a chip)を開発していると,いつか行き詰まるかもしれない」。オリンパス 常務執行役員 デジタル技術開発本部長の栗林正雄氏は,LSI開発に関する危機感をあらわにする(図)。 背景には,日本の大手半導体メーカーが,自社の生産規模を抑える「ファブライト」化へと舵を切っていることがある。製造技術の微細化とともに急増する設備投資や研究開発費を抑え,収益を